先日の暖かい日に、7年間在籍した東京藝術大学を卒業しました。
2012年から2年間は大学院修士課程、その後の5年間は大学院博士後期課程でした。博士課程中、2年間休学してオーストラリアへ留学しました。たくさん作り、たくさん考え、悩み、たくさん出会い、濃厚な時間を過ごすことができたと思います。
2018年には、修了制作とともに博士論文を執筆しました。論文はいずれウェブで公開されると思いますので、その時にまたお知らせいたします。何を書いたのかとよく聞かれますが、ざっくりと言えば作者が制作するときの思考についてです。これまで何を考え、現在どんなことを元に作品を作っているのか、その過程の整理と客観的分析を文章化しています。また、そこから制作物や制作技法のこだわりを明らかにし、それらが含み持つ意図が未来へ進む力になることを論じました。ものつくりをする人は、思考の文章化をする機会はあまり多くありません。私もほとんど未経験なところから走り始めました。なんとか論文をまとめ上げたとき、この文章化するという行為自体が素材に触れてものつくりをするという制作行為と何ら変わらないと気付きました。
文章化という制作活動を前に進める術を得て、これから私は作者として、研究者として新たにいくつかの目標を定め活動していきます。
ガラス作家として作品制作を続けていきます。今年は国内での発表もあるかもしれません。
研究者として素材、技法、制作思考を掘り下げていきます。
指導者として、武蔵野美術大学では非常勤講師の立場で、日本ヴォーグ社ではガラスフュージング 講座の総監修者として、ものつくりの面白さと奥深さを伝えていきます。
グルグルとかニンジンの皮とか言われている、近作のコイルシリーズや、薄板を組み上げる立体フュージング技法について、論文内で解説しました。今後は新しいキルンワークの制作アプローチとして、モールドレスキャストなど研究してきたことは全て公開していきます。
ご希望の方はご一報ください。色々なスタイルでレクチャーいたします。
今後ともよろしくお願いします。
Rei